「犀の夜」出演によせて

90年代の後半、「Set the Twilight Reeling」をリリースした頃のルー・リードだと思うのだけれど、インターネットが普及していく中で、音楽のみならず様々な芸術はマスメディアから解放されて人々の手に帰ってくるんだという趣旨の答えをインタビューでされていた覚えがあります。確かデビットボウイも同じようなことを言っていたような。
その時はふーんと思っていたのだけれど、テクノロジーが進歩して手の中にハイパワーなツールが握られる様になると、本当に僕たちが発する言葉や音、様々なものがマスメディアではなく直接人々に広げることができるようになりました。

するとこれまでマスメディアが「選んで」届けていたモノよりも、自分で見つけたものにみんな興味津々で、小さな集まりがあちこちで自然発生しているのだと思います。まるで昔の村祭りのように。遠くで聞こえる街の音もいいけれど、すぐそこで繰り広げられる祭りに人々が集まるのです。太鼓が打ち鳴らされたり笛が吹かれたり、漫談もあったり落語もあったり。ステージでは演劇や音楽の演奏が繰り広げられる。これが「人々の手に帰ってくる」ということなのかな?

「犀の角」はそんな夢のような場所です。
さらには今回のオープンマイク・イベント「犀の夜」は、その最たるものだと思うのです。

のど自慢や語り部たちが「今宵こそは!」と鼻息荒く集まってきます。中には「こんな演奏でもいいのかなぁ」ともじもじ楽器を担いでくる青年もいるかもしれません。でも、私たちの手に戻ってきたのですから、誰に遠慮もいりません。気に入れば大いに手を叩き、足を踏み鳴らします。楽しければ盛大に笑って過ごすのです。そして、それは手のひらから次の誰かに伝わり、新たな村人がその場所に集うのです。なんて素晴らしいことでしょう。

カフェやパブで始まったオープンマイクの文化が、テクノロジーが進んだこの世の中にベストマッチするなんて、90年代の僕には想像もつきませんでした。でもルー・リードはきっと思っていたんだろうなぁ。高い空の上から。サテライト・オブ・ラブ。心から音楽や演劇や文芸を愛する人たちが集う場所が生まれると。

間近で観る音楽や太鼓、語り、踊り、言葉が何よりも、「新しく」大切なことになると思う。

こんな村祭りのような楽しいひとときに
ゲストパフォーマーとして出演させていただくことになりました。感謝です。
ぜひ「犀の夜」にお出かけください。

■ 犀の夜 act.15〜犀の聖誕祭・オープンマイクすぺしゃる〜 ■
2019年12月28日(土) 開場:18:00 開演:18:30

犀の角(長野県上田市海野町商店街)

料 金:1500円(1ドリンクつき)
ペアチケット:2800円(2名・2ドリンクつき)

■ゲストライブ
tessy(ギター弾き語り)
笹田美紀(ピアノ叩き語り)
なおやマン(参加体験型ショー)

チケットのご予約はこちら!

2019.12.28 犀の夜act.15(長野県上田市)【ライブ出演】

年の瀬迫る信州でライブ出演が決定しました!

■ 犀の夜 act.15〜犀の聖誕祭・オープンマイクすぺしゃる〜 ■
2019年12月28日(土) 開場:18:00 開演:18:30

犀の角(長野県上田市海野町商店街)

料 金:1500円(1ドリンクつき)
ペアチケット:2800円(2名・2ドリンクつき)

■ゲストライブ
tessy(ギター弾き語り)
笹田美紀(ピアノ叩き語り)
なおやマン(参加体験型ショー)

念願のニューアルバムをリリースした
今年の最後を飾るのは
信州上田が誇る劇場「犀の角」での
GOKUさん主催「犀の夜」への出演です!

うれしい!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は「犀の聖誕祭〜オープンマイクすぺしゃる〜」ということで
3人のステージだけでなく、来てくれるみなさんもマイクを前に
ステージで表現できるんです!!ぜひぜひ、遊びに来てほしい!!
まずは、予定を空けておいてねー。

チケットのご予約はこちら!

音を収める。(1)「宅録の道」 

アルバムが完成してだいぶ落ち着いてきましたー。
アルバム「僕、ウォンバットと旅に出る。」の詳細はこちら!
今回の録音もとっても楽しかったなー。
基本はmacのLogic proXで宅録しました。
今まで一番の録れ音だと気に入っています!
ここまでの道のりは長かった!

というわけで、今までの録音(宅録)の思い出を振り返ります。

始まり始まりー。

僕が「宅録」に目覚めたのは、高校生の時でした。
バンドをやっていた友達がヤマハのCMX100IIIという
めちゃくちゃかっこいい4トラックのカセットMTRを持っていたのです。
グラフィックイコライザーもついて各種ツマミや入力端子もたくさん。
とにかくかっこよかった!
数日間、貸してもらいギターやハーモニカを重ねると……。
なにこれ!めちゃくちゃ楽しい!!
そして、僕は思ったのです。

「俺、ミュージシャンになれるかも。
いや!もう、なってる!!」

きっと多くの若者たちがそう思ったに違いない!
そのぐらいMTRには魅力がありました。

ここに出てくる「4トラックカセットMTR」とは
カセットテープの片面に収録できるステレオを2本の別々の
トラックとして扱い、さらに片面だけでなく両面を同時に使うことで
4本別々の音が録音できる
マルチ(M)トラック(T)レコーダー(R)のことです。

大雑把に言うと普通のカセットがこう使うのに対して

A面→→→→→
左の音
右の音
B面←←←←←
左の音
右の音

4トラックMTRでは

片面のみ→→→→→
一番目のトラック
二番目のトラック
三番目のトラック
四番目のトラック

と使うのです。ですからB面は使えません。
あえてB面にして再生すると逆回転再生になる!
わお!ジミヘンみたいだ!と感動したものです。
なんだかワクワクします!

そんな、興奮するてっしー少年はアルバイトして
自分のMTRを手にするのでした!うれしかったなー。
ただ、ヤマハのものはなかなか高価でしたので
店頭でセールをしていたこのレコーダーを購入したのです!


TASCAM PORTA05 Ministudio (1987)

めちゃくちゃかわいい!
たしか、在庫処分か何かで、
ヤマハの半分ぐらいの値段だった気がする……。

とてもカラフルなインターフェイス!!
今でも変わった外観と思いますが、
当時でも十分風変わりな見た目でした!!

ヤマハに比べて制約も多い機種でしたが
おかげでミキサーにおける「バス」の働き
「ピンポン録音」してトラックを増やすなど
いろいろなことが学べましたー。楽しかったなー。

しかも、このTASCAMは、愛用者の贔屓目かもしれませんが
ヤマハのものよりテープコンプのかかりが良く
音が太くてノイズも少なく、10代での曲はすべてこれで録音しました。
とにかくたのしかった!

そして、僕は京都で磔磔や拾得などのライブハウスにも出るようになり
「もっと本格的な音源を作りたい!」と思うようになってゆきました。

そんな時に、当時お世話になっていたエンジニアの方の
自宅スタジオで触らせてもらったADATに衝撃を受けたのです!
なんとS-VHSのテープにデジタルで8トラックもの音が録音できるのです!!
こうやって文章にするとなんて不思議な機材でしょう。
ビデオテープにデジタルで8トラック???
そう!世の中はデジタル化の波が凄まじかったのです!
デジタルで!8トラック!!
なんども繰り返してしまうこの魔力!!

しかし世の中、甘くはありません。
ADATは僕にとって大変高価なレコーダーでした。
そこで、こちらの機材を手に入れたのです。


TASCAM MD4 (1996)

おぉぉ!なつかしい。このヌルッとしたボディーライン。
ブルーグレーのイカしたマッチョ。
こちらはMTRの歴史の中でもわずかな期間で消えた
MD-DATAを使ったデジタル4トラックレコーダー。

これならなんとか、バイト代で買えたのです!!
これで何曲録音しただろう。
4トラックとはいえ、全チャンネルEQ完備で、インサート端子もあり!
おかげでコンプレッサーかけ放題!!さらに
劣化がほとんどない「ピンポン」ができると鼻息荒くしていたなー。

この頃は、コンプだけでなくラックにパッチベイや
プリアンプ、エフェクターを組んでズンズンと宅録の道を進んでいました。
ミックスダウンはDATにリアルタイムで落として、
聞き返しては「名曲の完成だ!」と毎晩興奮していました。(笑)

ここまでが僕の「宅録の道」、80年代後半から90年代中ぐらいまで。
メディアもカセットテープからビデオテープ、MDとDATと、
すごい勢いで変化していた時代だったんですねー。

なんだか、とりとめのない機材の話におつきあいいただき、
ありがとうございましたー。コメントもお待ちしていますー。

次回は、
「迫る!DAW時代!どうするレコーダー!」
お届けします!お楽しみに!

「僕、ウォンバットと旅に出る。」ライナーノーツその4〜唄について〜

アルバムジャケットからコンセプトが決まり、レコーディングが始まりました。
収録した曲たちはそれぞれこんな想いから生まれました。
そして、その思いはどこかの路上につながっているのです。

「おとこのこおんなのこ」

いつだって、何かを始める時にはただ夢中で駆け出すものです。それは大人も子供もいっしょ。
でもそんな駆け出す姿を笑う奴らもいるのです。ほんとは分かっているけれど、ついついからかってしまうのかもしれない。確かに夢中で駆け出したことには、勘違いがあったり、間違ったやり方があるかもしれない。
僕も昔々、エレキギターがまだ弾けない頃、マイクをアンプに繋いでひずませて、ギターソロを口でやってたこともある。笑われても仕方がない。でも、きっとそんな姿を「それ、おもしろいね!」と言ってくれる本当の友達がいるはずです。少なくても僕にはそんな友達がいました。からかったりしないで、一緒に唄ってくれる友達が。

男の子が女の子みたいでもいいし、女の子が男の子みたいに遊んだっていいじゃない。大人だって子供だっていいんだ。そんな思いを唄にしました。

 

「ひまわり畑」

今回、新曲を多く書いたのですが、アルバムには古くからの曲も半分入れました。
「ファンタジー」をコンセプトにした時、物語を強く打ち出した唄たちをもう一度、きちんと吹き込みたいと思ったのです。しかも、この歌を大切にもってくれている友達がいたからです。2018年京都のライブをお休みした時の夏、友達がそろってこの歌をチャット越しに唄ってくれたのです。自分の歌を誰かが覚えていてくれることほど嬉しいことはありません。だから、待っていてくれたことへのお礼を込めて新たに吹き込みました。
この曲を書いた当初のイメージで頭の中にあった音のパーツを一つ一つ再現してみました。

 

「イワナの居場所」

今回のアルバムのコンセプトの一つに「旅に出る」があります。この曲も「山登り」という旅に出ます。人生において「嫌なものをなんでも食べてくれる伝説の魚」がもしもいたとしたら、多くの人がザックにいらないものをたくさん詰め込んで山にゆくでしょう。
その魚の名を「イワナ」としました。
「釣りキチ三平」で魚心さんが「イワナは伝説の魚だ!」と言っていたからです。言っていたと思う……。もしかしたら、私の記憶違いかもしれませんが、個人的にイワナは幻の魚なんです。
一度、とある山の途中の清流でパクパク口を開けているイワナに会ったことがありますが、とんでもなく低い水温の川で悠々と彼らは生きています。
本当に何を食べているんだろう。
なんであんなに冷たい水の中で笑っているんだろう。
どうして、人が来ると顔を出しに来るんだろう。
やっぱり幻の魚なんだ。

山に棲む浄化のシンボルとしました。
さて!イワナは見つかるのかな?それとも……。

 

「朝が来るまで」

今回のアルバムが完成に至る重要なきっかけ、「グラスを置く」ことをテーマにしました。大切な言葉を霧の中に失わないように、夜が更けることを恐れずに、たとえ朝が目前に迫ってもそのままじっと耳を澄ますのです。誰も待っていないかもしれないし、誰も来ないかもしれない場所でも間違いなく自分の場所なのだから、じっと時が来るのを待てばいいのだと自分に言い聞かせる唄です。

  

「エスカレータ」「かけっこ」

今回の大きなテーマとしてストリートライブに駆けずり回っていた頃の思いを「思い出」ではなく、生きる記憶として未来に続く糧にすることがありました。
とても個人的なことなのだけれど、一度はきちんとしたかったのです。もう何度も録音しているのだけれど、これでようやく一つの区切りです。納得の音楽ができました。
ノスタルジーではなく、現在からはっきり見える視点での歌として希望の詩にしました。「エスカレータ」を書いた当時は、ストリートで転がる僕らが遠ざかり、なんだか虚しさや悲しさが先行していたのですが、あれから僕たちはこの足で歩き、汚れた手のひらでも誇らしく挙げて生きてきました。認めてもいいのだと思います。あの時も、これまでも、そして今も「力いっぱい歩いている」のだと。「自動階段に身を任せているのではない」と。忘れてはいけない光景をこれからも唄いたいのです。
そして、「かけっこ」はその歩みからの「帰り道」。悔しさ、やりきれない熱さ、堂々巡りの苛立ちがまぜこぜになった時も、風に吹かれて自然と足が家に向かうのです。そしていつか、時が経てば忘れちゃうこともあるかもしれない。闇雲にかけてゆくのだから。でもそんな時にも、あの時の唄は忘れない。あの時に一緒に口ずさんだ音楽を忘れたりしないのです。力いっぱい走った僕らは、ぐっすり眠ってまた、明日に駆け出すのです。また君に会いにゆくのです。風が強い日はなかなか外に出れないけれど、そんな風の中にも歌はちゃんと紛れて聴こえてくるのです。

  

「僕、ウォンバットと旅に出る」

ウォンバットってとても珍しいところがある動物です。とても気になる奴なのです。外敵が近づくと掘っておいた穴に逃げるのですが、その時、お尻を外に向けています。そのお尻がとてつもなく固いのです。ちょっとやそっとでは歯が立たない。そして相手が諦めるまでじっとしている。自分なりやり方を突き通すのです。でも、あまりしつこい相手だと、その固いお尻で相手の鼻先を穴の壁に押し付けてバキバキにしてしまいます。きついお仕置きをするのです。戦わない意思を表明して、それでも絡んでくるやつはコテンパンにするのです。でも基本的に争いを好みません。だから、テレトリーを大切にするんだそうです。うんちをして、自分の縄張りを主張するらしいのですが、そのためにうんちが転がりにくいように四角いうんちをします。まるでサイコロのような。どうやってするんだろう?そこまでして、争わない環境を作るのです。なんてオリジナルややり方なんでしょう。憧れてしまいます。
そんなウォンバット。一律的に「逃げちゃダメだ!」ではなく、なんとも柔軟に、しなやかに「生きる、生き抜くこと」を選び、突き進むのです。そんな仲間と旅に出たらと夢に描いて唄にしました。
ウォンバットは苦い思い出を抱えています。たくさんの仲間たちが失われて(絶滅して)しまいました。みんなとってもオリジナルな生き方をしていた奴らです。
人間たちをみてウォンバットは伝えたいことがあるかもしれません。失った仲間のことを責めるのではなく、「人間も気をつけなければいけないよ!」と。だから、あんなに人懐っこいのかもしれません。こちらがびっくりするぐらい嬉しそうな顔をして駆け寄ってくるのです。
そしてはっきりと言うのです「逃げ出せ!まずは心守るために!」と。

  
ずいぶん長々と書いてしまいました。
読んでくれてありがとう。このアルバムを気に入ってくれたら嬉しいです。
次回はレコーディングの機材のお話をしようかなー。

 
アルバム「僕、ウォンバットと旅に出る。」の詳細はこちら!

「僕、ウォンバットと旅に出る。」ライナーノーツその3〜曲作り開始〜

今回、ノートとiPadを並べてギターで曲作りを進めました。
奥さんに聴いてもらったりしてぽつぽつとスタートです。
隅っこの方で、ウォンバットも聴いていましたよ。
なんだか昔の4トラックでの録音みたいでとっても楽しい冒険です。しかしiPadのガレージバンドは便利だったなー。今回のアルバムでもこの時の曲作りで作った音源が一部残っています。どの音かわかるかなー。

さてさて、曲作りが進み、いよいよレコーディングとなるわけですが、今回は一人での作業ですのでここでどんな方向性にアルバムを持ってゆくのかを決めなければなりません。曲を集めただけではなくて「アルバム」を作るのですから。

箱庭の枠を決めるようなものです。例えば「弾き語りアルバム」というくくりもあります。ハモニカとギターと声で完結するアルバム。なかなか良さそうです!でも以前にもやったこともあるし、新しい試みでなければ「挑戦」になりません。「挑戦」でなければ、あのストリートの頃のヒリヒリとするような緊張感は戻ってこないと思ったのです。

そんな時、ふと以前にライブのお手伝いをさせていただいた敬愛するキーボーディストでありギタリストのK氏からお聴きした話を思い出しました。

「あのね!アルバムの作り方は色々あるんだよ!例えば、タイトルから先に決めちゃう人もいる。その時のファッションで全てを決める人もいる。アーティストのTさんなんて、アルバムのアートワーク、そう!ジャケットデザインを先に作ってしまって、そのイメージから曲を作ったりしたよ!」

まさか、20年近く経って、この言葉をこんなにもはっきりと思い出すなんて。

そうだ!ジャケットから先に作ってみてはどうだろう。

今回のアルバムの音源は一人で作ろうと思っていましたが、アートワークは他の人からの刺激があると面白いのでは?と思ったのです。

そこで、早速出来上がりつつあった曲のいくつかの詩をプリントアウトし、旧知のイラストレーターasacoさんに託すことにしたのです。

そして、返ってきたデザインが今回使わせていただいたジャケット。

僕の詩に時の流れと風景を取り込んでくれました。

そして、星空に浮かぶイメージたちは「歌詞にファンタジーを感じたから」とのメッセージをいただきました。

確かに、「ウォンバット」や「イワナ」が出てきたりと、自分の中ではリアルと感じている音楽も、相手に伝わる時にはファンタジーなのだと理解できました。

新たな発見です。
「僕はファンタジーを歌っていたのだ」

この予想外の「ファンタジー」という言葉により、アルバムのサウンドも決定しました。
当然、選曲もきまり、アルバムタイトルも「僕、ウォンバットと旅に出る。」に決定したのです。

さぁ、続いてはなぜ、このような詩が生まれてきたのか。そんなお話をしたいと思います。
ではその時まで、アルバムのアートワークからファンタジーを感じていただければと思います!

アルバム「僕、ウォンバットと旅に出る。」の詳細はこちら!

「僕、ウォンバットと旅に出る。」ライナーノーツその2〜音楽の旅はじまる〜

その1からのつづき

それから、曲作りが始まったのですが、なかなか思うようにゆきません。
そして、あっという間に2018年を迎えてしまったのです。
「それなり」に続けてきた音楽活動のツケが回ってきたのでしょうか。
いつも通り、ギターを手にノートとペンを持って始めても、なんだかうまくゆかない。

言い方は色々あるかと思います。
「気分が乗らない」だとか
「アイディアがわかない」だとか……。

転機は、なんとはなく参加した
「アルコール依存対策セミナー」で、こんなお話を聞いたことで訪れました。

アルコール依存の一つに「楽しかった記憶=アルコール」の状態の人がいます。
本当は「楽しかったこと」はそれ自体、独立したものなのに。
例えば、みんなで行ったキャンプが楽しかった!
その「楽しさ」をもう一度!と願い
「飲めばまたあの時みたいに楽しくなるかも」とアルコールを摂取する。
それが高じて、飲むことと楽しさがつながってしまい依存につながるのです。

この話を聞いた時に、「なんだか、自分のことみたいだ……」と感じたのです。

酔っ払って、以前の感覚のまま音楽ができているような気がしているだけで、
ただ思い出に浸って、「あの音」からは遥か遠く離れた場所に来てしまったのかもと……。
なんだかそれは、とても悲しいと感じました。

そして、思い切って断酒に踏み切ったのです。

すると強烈な思いがやってきたました。
まるで嵐のような思い。
明確なイメージとして浮かんできたのです。

それは……。

京都三条と大阪梅田の歩道橋で、ガムシャラに唄った日々。

梅田の歩道橋上

Claps!とThee Cosmic Mother Orchestra、
そしてPockeysで奏で続けた日々。
眩い光とカビ臭く薄暗い地下通路の蛍光灯、
たくさんの人の歓声や笑い声。足音。
抜け出したいという思いと、
いつまでも続けばいいと願う気持ち。
終わりがない時と錯覚するような日々。

ただただ強烈な時の記憶。

残酷なほど遠くに感じることもあれば、
今からでもあの場所に立てるような気分が嵐のようにやってきたのです。

その感覚が明確な形になって浮かんできました。

それはもう一度、あの時のようにヒリヒリするぐらいの緊張感や、
やりきった!と言えるような作品を作りたいというイメージ。

これが最後のアルバムになっても後悔しない!
いや、残りの人生を通じて「これが私の音楽です!」と言える作品にしよう!と決意したのです。

大げさではなく、僕にとって、
あのストリートの日々は過去ではなく今に繋がり、
未来にも響くものにしなけらばならないのです。

あの時の自分を裏切ってはいけないと。

そして、あの時から今までずっと聴き続けてくれる人もいる
そのありがたさを忘れてはいけない。

だから、中途半端な状態でステージには立たないぞ!との気持ちで
恒例の京都ライブも2018年はお休みをすることにしました。

「断酒」が「本当の記憶」を辿り、
音楽の旅を再開する日々のきっかけになったのです。

そして、書きためた曲は20曲ほどになりました。
いよいよ、レコーディングに突入です。

さあ、続きはまた今度。

遠い音楽の記憶にも耳を傾けながら、待っていてくれると嬉しいです。
飲み物はジンジャーエールがいいかな?

アルバム「僕、ウォンバットと旅に出る。」の詳細はこちら!

「僕、ウォンバットと旅に出る。」ライナーノーツその1〜銀色の盤面〜

アルバムをリリースして1ヶ月。
多くの方に聴いていただき、本当に嬉しい限りです。
リリースして良かった!
ということで……。

今回のアルバムに関して、発表までの思いを綴っておこうと思います。
本人が書くライナーノーツです。
ちょっと恥ずかしいですし、たいして面白くもない文ですが、せっかくのアルバムですから記念に書いてみます!

さてさて、皆様のおかげで、2019年にリリースできたわけですが、事の始まりは2017年です。この年も京都のロッ研イベントに呼んでいただき演奏をしたり、それなりには音楽活動をしていたのですが、「それなり」でいいのか?とふと疑問に感じたのです。
バンドが活発なわけでもなく、基本一人ですから気が向いた時に演奏していればいいわけです。それもいいのですが、もっと高揚感を持って、みなさんにも喜んでもらえることはないのか?とぽんやりと考えたわけです。

そこで、ひらめいたのが
「そうだ!アルバムを作ろう!」だったのです。

Claps!のアルバムのミックスとマスタリングを手がけさせていただいたり、我武者羅應援團のDVDで映像編集とパッケージデザインを担当させてもらうなど、制作に関してはマイペースながらもコツコツ積み上げてきたつもりなのですが、いざ「自分の作品」となると随分前にiTunesでダウンロード販売しただけですし、CDに関していえばCD-Rでしか作ったことがない!

CD-Rでリーリスした作品たち

そうなんです。
自分の曲をちゃんとした銀色のプレスCDで発表したことがなかったのです。

音楽はすっかりストリーミング時代ですからCDで発表する意味も考えてみたのですが、単純にCDで育った世代としては、作品として形にすることだけでも素敵だなと思いましたし、何よりライブなどで気に入ってもらえたらその場で手にしてもらえるという喜びがあります。
それに、あのプリンスも2015年に言っていました。

「アルバムって覚えてる?いまでもアルバムは大切なものだよね。本や黒人の命と同じように。」
https://www.grammy.com/grammys/videos/prince-albums-still-matter

そうなんだ。僕はアルバムが好きなんだ。
次の曲はどんな曲だろう。あっ!ちょっと間があってから入るんだ。おぉーフェードアウトしていきながら次の曲がはじまった!!なんて。ジャケットを眺めながら、この写真のギターがこの音なのかな?とか思い巡らし、自分の呼吸のように曲順が入り込んでくる。

よし!作ろう!作るんだ!
作品としてCDを作ろう!と思い至ったのです。

これが、2017年。そして、アルバムのための曲作りを始めました。
あたらしい一歩として、何ができるのかな。
どうやって作ろう?ぼちぼちと歩き始めました。

それでは、続きはまた今度。
アルバムを聴きながら待っていてくれるとうれしいです!

アルバム「僕、ウォンバットと旅に出る。」の詳細はこちら!

「僕、ウォンバットと旅に出る。」より「おとこのこおんなのこ」をシングル配信開始!

tessy渾身のCDアルバム「僕、ウォンバットと旅に出る。」をより多くの方に聴いていただきたい!との思いから、「おとこのことおんなのこ」のシングルカット配信を本日より始めました!!


apple MUSICやAmazon MUSIC、Spotifyなど各種オンライン配信サービスよりご利用いただけます!【こちらをクリック!】

販売価格は150円ですが、ストリーミング・サービスでも提供していますので、定額プランの方はぜひ!
youtubeMUSICではコマーシャルをご覧いただければ、無料で聴けますよー。

そうそう!CD収録版と全く同じ音源ですので、アルバム購入済みの方は買わないようにねー。
ぜひ、お友達にもオススメしてみてね!

ニューアルバムの通販を始めました!

令和元年初日に発売しました
ニューアルバム「僕、ウォンバットと旅に出る。」の
通販を開始しました!

ライブで買いそびれたーとか、
そもそもライブが少ないじゃないか!等の声に応えます!
販売ルートは……。
メルカリで販売します!なんだか楽しそう。

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販売者は「てっしー」となっています。
価格は送料込みで1,300円です。
売り切れの場合、翌日には補充しますよー!
ご注文、お待ちしていますー。

アルバムタイトル、アートワーク決定!

ニューアルバムのアルバムタイトルとアートワークが決定しました!
タイトルは「僕、ウォンバットと旅に出る。」です。
そしてアートワークはこちら!

イラストレーターasacoさんの描き下ろし紙ジャケット仕様です。
5月1日発売。7曲入りのアルバムとなります!
令和元年、初日の発売となりますよー。
詳細はこちらをご覧ください!

たつたつとかけてゆくんだ。