「僕、ウォンバットと旅に出る。」ライナーノーツその2〜音楽の旅はじまる〜

その1からのつづき

それから、曲作りが始まったのですが、なかなか思うようにゆきません。
そして、あっという間に2018年を迎えてしまったのです。
「それなり」に続けてきた音楽活動のツケが回ってきたのでしょうか。
いつも通り、ギターを手にノートとペンを持って始めても、なんだかうまくゆかない。

言い方は色々あるかと思います。
「気分が乗らない」だとか
「アイディアがわかない」だとか……。

転機は、なんとはなく参加した
「アルコール依存対策セミナー」で、こんなお話を聞いたことで訪れました。

アルコール依存の一つに「楽しかった記憶=アルコール」の状態の人がいます。
本当は「楽しかったこと」はそれ自体、独立したものなのに。
例えば、みんなで行ったキャンプが楽しかった!
その「楽しさ」をもう一度!と願い
「飲めばまたあの時みたいに楽しくなるかも」とアルコールを摂取する。
それが高じて、飲むことと楽しさがつながってしまい依存につながるのです。

この話を聞いた時に、「なんだか、自分のことみたいだ……」と感じたのです。

酔っ払って、以前の感覚のまま音楽ができているような気がしているだけで、
ただ思い出に浸って、「あの音」からは遥か遠く離れた場所に来てしまったのかもと……。
なんだかそれは、とても悲しいと感じました。

そして、思い切って断酒に踏み切ったのです。

すると強烈な思いがやってきたました。
まるで嵐のような思い。
明確なイメージとして浮かんできたのです。

それは……。

京都三条と大阪梅田の歩道橋で、ガムシャラに唄った日々。

梅田の歩道橋上

Claps!とThee Cosmic Mother Orchestra、
そしてPockeysで奏で続けた日々。
眩い光とカビ臭く薄暗い地下通路の蛍光灯、
たくさんの人の歓声や笑い声。足音。
抜け出したいという思いと、
いつまでも続けばいいと願う気持ち。
終わりがない時と錯覚するような日々。

ただただ強烈な時の記憶。

残酷なほど遠くに感じることもあれば、
今からでもあの場所に立てるような気分が嵐のようにやってきたのです。

その感覚が明確な形になって浮かんできました。

それはもう一度、あの時のようにヒリヒリするぐらいの緊張感や、
やりきった!と言えるような作品を作りたいというイメージ。

これが最後のアルバムになっても後悔しない!
いや、残りの人生を通じて「これが私の音楽です!」と言える作品にしよう!と決意したのです。

大げさではなく、僕にとって、
あのストリートの日々は過去ではなく今に繋がり、
未来にも響くものにしなけらばならないのです。

あの時の自分を裏切ってはいけないと。

そして、あの時から今までずっと聴き続けてくれる人もいる
そのありがたさを忘れてはいけない。

だから、中途半端な状態でステージには立たないぞ!との気持ちで
恒例の京都ライブも2018年はお休みをすることにしました。

「断酒」が「本当の記憶」を辿り、
音楽の旅を再開する日々のきっかけになったのです。

そして、書きためた曲は20曲ほどになりました。
いよいよ、レコーディングに突入です。

さあ、続きはまた今度。

遠い音楽の記憶にも耳を傾けながら、待っていてくれると嬉しいです。
飲み物はジンジャーエールがいいかな?

アルバム「僕、ウォンバットと旅に出る。」の詳細はこちら!


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